勝手気ままにイラストコラム

音楽・芸能ネタのイラストコラム。育児マンガ・水彩イラストは「Suiの水彩日記」にて。

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ドラえもんを忘れてしまった・・・大山のぶ代さん

ドラえもんの声優が水田わさびさんに変わってからもう10年以上になるので、もうすっかりあの声で定着していますが、私の子供の頃ドラえもん大山のぶ代さんでした。

 

のび太が「助けて!ドラえも〜ん!」と泣きつくと、いつでも

「もう、のび太君はしょうがないなぁ・・・」と言いながら、解決するための道具を出してくれたドラえもん

私もどんなにドラえもんが欲しいと思ったことか・・・。

色々なグッズを集めたりしましたが、同じくドラえもん好きのいとこにはどうしても勝てず・・・悔しかった思い出。

私にとってドラえもんの記憶は大山のぶ代さんのダミ声とセットなんです。

 

その大山のぶ代さんの夫、砂川啓介さんが先月亡くなられました。

 

砂川さんが、大山のぶ代さんが認知症になっていると発表をした時は本当に驚いたのだけど、のぶ代さんを置いて旅立ってしまったのは、さらにショックでした。

 

その砂川さんが、大山さんとの歴史や認知症介護について書いた本があるのを知り、読んでみました。

 Maciphoneをお持ちの方はこちら↓ 

 私が読んだのは文庫で、最後のあとがきに、その時すでに介護施設に入所させたのぶ代さんを愛しく思ったり、心配している気持ちが綴られていました。

日付が2017年5月、亡くなったのが7月11日ですから、最後の最後まで妻を思っていたんですね。

 

内容は壮絶です。

認知症介護、老老介護の現実があからさまに書いてあります。

 

子供の頃、あんなに夢を与えてくれたドラえもんの分身みたいに思っていた人が、認知症によりドラえもんのことまで忘れてしまった・・・!

という現実と、

周囲でも実際起きている認知症の親の、きれいごとでは絶対にすまない介護問題。

という二つの意味で、なんとも言えない気持ちになりました。

 

 

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昔、ドラえもんの悲しい結末として「本当はのび太の夢だった」という、誰が言い出したかわからない噂がありましたが、それよりはるかに上をいく厳しい現実。

 

いつだってのび太を受け止めて助けたり、時にはケンカしたりしながらも支えていた優しいドラえもんが、やっぱり大山さんと重なってしまう。

 

のび太にとってのドラえもんは、友達であり兄弟であり同士であり・・・。

ドラえもんにとってののび太もそうであって。

 

大山さんにとっての砂川さんも「夫」という存在を超えた、まさに「伴侶」だったんだと感じました。

 

お互い子供好きなのに、2人の子供を亡くし、子供を持てなくなってしまったということや、様々な困難を一緒に乗り越えてきた妻。

その妻が、日々違う人間になっていくことに向き合って対処していかないといけない。

想像するだけで、辛いですよね。

 

最後の最後まで、のぶ代さんを置いて自分が先には逝けない!と思っていたのに、とうとう砂川さんは力つきてしまいました。

 

本にはジャイアンの声優だった、たてかべさんが亡くなったと聞いた時にものぶ代さんが無反応だったとありましたが、砂川さんの死は理解できたのでしょうか。

 

理解できたらそれは本人にとってすごく辛いでしょうが、もし理解できていないとしたら・・・それは本当に悲しすぎます。

 

と思っていたら、たった今放送していた「金スマ」で、のぶ代さんが砂川さんとの最後のお別れで、「お父さん」と読んで涙を流したということでした。

たった一瞬で、すぐにいつもどおりののぶ代さんに戻ったそうですが、ちゃんとお別れができてよかったと思います。

 

 ドラえもんジャイアン役のたてかべさん和也さん、スネ夫役の肝付兼太さん、出木杉くんとサザエさんの中島くん役だった白川澄子さん、お父さん役の永井一郎さん・・・

子供の頃から見ていた番組で、声優さんが亡くなったり病気などで交代すると、まったく時間が進まないアニメの外側で、着実に歳をとっていく現実を思い知らされます。

 

老いや死は誰にでもいつかはやってくるもの。

どういう形で病気が襲ってくるかはわかりませんが、体は元気でも心は正常ではなくなってしまう、認知症の介護は本当に介護する側の心身にも相当な負担があるんだなとあらためて思いました。

 

ドラえもんが誕生するはずだった21世紀ですが(連載当初で今は22世紀の設定)、発展する分野もある一方で、人間の肉体の限界はそうそう変わりません。

これからさらに認知症の患者が増えるだろうし、効果のある薬の開発や、患者にも家族にも良い介護のノウハウが確立されるのを、願うのみです。

 

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